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読書レポート?その5 ~「みんなぼっち」以降の若者たち~

岩田考 他編『若者たちのコミュニケーション・サバイバル―親密さのゆくえ』 (恒星社厚生閣、2006)

前回の記事『読書レポート?その4』の続きです。

前回の『みんなぼっちの世界』(1999)での調査のを受けた続編です。

今回は、本の要約ではなく、「みんなぼっち」以降の若者の変化している、していない点に絞って見ていきたいと思います。

 

結論から言うと、今の若者も「みんなぼっち」であることには変わりないようです。

ちなみに、「みんなぼっち」とは、濃密なコミュニケーションなどという「うざったい」ものを避けつつ、集団としてまとまろうとする関係で、親しい関係の中でまとまりつつも、その中の成員それぞれは「ひとり」という特徴があります。

携帯で常に友人と繋がっているようで、その関係は実に希薄なものだった、なんて話もありますし。

 

ただ、本のタイトルに「コミュニケーション・サバイバル」とあるように、状況ごとに他人との関係を上手く変えながら生きなければいけない要素が強くなっているよう。

携帯、インターネット(ブログ、掲示板・・・)など、言葉1つ間違えたら袋叩きにあってしまう今日。

今の若者は、他者とのコミュニケーションを高度に使い分る能力があり、要領よくなければ生きていけません。

コミュニケーションがマニュアル化(「空気を読む」なんてものが良い例)しているのかもしれません。

それが出来なければ、いじめにあったり、ひきこもったり、ニートなどになってしまいます。

 

また、他者との深い関係を求める面が強くなってきている傾向もあるようです。(↓は、新入社員~30代くらいの会社員の例)

「IT化…企業、コミュニケーション能力低下に危機感 独身寮 “孤独社会”に復活」  2006913日(水) 東京朝刊」

「『孤独すぎる職場』原因と対策 ~家族的に日本企業への"回帰"が社員の孤独を救う?~」(『SPA』07年7月10日号)

会社の中での人間関係を円滑に進めることで、仕事に役立てようという狙いが見え隠れしているし、また、会社にそういった交流をお膳立してもらいたい傾向が強く、これが本当に深い関係であるかは疑問。

 

また、前回の『みんなぼっちの世界』では、状況によって他者との関係をコロコロ変えることに対して、自分とはいったい何者なのだろうか?つまり、「自分探し」という言葉が重要なキーワードとなっていましたが、今回の本にはあまり見当たりません。

他人とのコミュニケーションがあまりに高度すぎて、そういったことを考えるまでの余裕が無いのか、

またあえて考えない方が、余計な悩みが無く人生を楽しく生きられると割り切っているのか?

「みんなぼっち」の場合、個人主義とも集団主義とも取れない曖昧なものでしたが、現在は、変な集団主義(袋叩きにあうなど)に傾いているよう。

とにかく自分というものを強く押し通すよりも、人間関係を大事にしなければ今の世は生きていけません。

コミュニケーションを円滑にするための指南本が書店にうずたかく積まれている状況は、そういったことを如実に表しているのかもしれません。

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